2006年 07月 26日
企業風土 |
今日、京都ではおそらく最大手だろうと思われる仏具メーカを訪問した。
機械金属系の加工業者や、設備メーカ、樹脂成型品製造など、製造業業界の企業は山ほど訪問したが、伝統産業関係はほぼ初めての訪問となったかも知れない。
工場内を見させていただいて、まず驚いたのは、仏壇を作るのに図面がないと言うことだ。
棒きれ一本に、様々な長さのゲージが刻んであってそれの一つ一つが、柱の長さとか直径とかの寸法になっていて、その約束事さえ分かっていたら仏壇一つが完成するという。
当然仏壇は一種類だけじゃない。
注文を受ける事にその棒を作って、その仏壇専用のゲージを作るわけだ。
もちろん同じ形、同じ宗派の仏壇の注文があった時は、その棒を流用して製作することも出来るし、修理の際もこれさえあれば同じ部品がいくつでも作れると言う仕組みだ。
業界が変ると、技術資料の保存もこうも違うものかと驚いた。
面談させていただいた会長さんによると、仏具を扱っていると言ってもいつまでも伝統産業にしがみついているわけにも行かない、とおっしゃった。
新進の技術、新進の情報をキャッチするために常にアンテナを張り、新しい事業の掘り起こしに役立てたり、従来の伝統産業に新しい技術を取り入れたりと企業も新陳代謝を常にはからなければいけない。
そんな、会長さんの話を聞いて、伝統産業といえども決してあぐらをかいた仕事をしてはいけないのだと、改めて思った。
同時に、会長さんはどんなに新しい技術を取り入れても企業の風土は変えてはならないともおっしゃった。
仏壇というのは1万2万円で買えるものではない。
高価な材料を仕入れ、ベテラン職人の手が加えられ、日時をかけて完成させる、そんな仏壇ばかりだ。
今日見せてもらった仏壇の最高額はなんと、約四千万円。
これだけの高価な買い物をしてもらうには常に品質には気を使う必要がある。
例えば『紫檀』
本物は加工した材料を分厚く心材に貼り付けるのだが、バッタものはペラペラの材料を貼り付けるだけだそうだ。
見た目にはプロにも見分けが付かないそうだが、年月が経つとその差が歴然としてくる。
安くても数年でその価値が半分以下になるようなものを売るのが本当に商売なのか?
会長さんは、こうもおっしゃった。
「製品に嘘はつくな」
お客さんの要求にこたえるために、作る側の人間として妥協のないものつくりをしろ。
これは簡単なようで簡単ではない。
しかし、この大原則を守れるからこそ、暖簾の信用は何百年と続き、新規の顧客も増えてくると言うもの。
結局これが、顧客の満足度にも繋がり、企業の発展にも繋がる。
最近の瞬間湯沸かし器メーカーのトラブルのニュースを見聞きしていると、良い企業風土を作り上げることがいかに大切か、今日の訪問でさらに強く感じた。
機械金属系の加工業者や、設備メーカ、樹脂成型品製造など、製造業業界の企業は山ほど訪問したが、伝統産業関係はほぼ初めての訪問となったかも知れない。
工場内を見させていただいて、まず驚いたのは、仏壇を作るのに図面がないと言うことだ。
棒きれ一本に、様々な長さのゲージが刻んであってそれの一つ一つが、柱の長さとか直径とかの寸法になっていて、その約束事さえ分かっていたら仏壇一つが完成するという。
当然仏壇は一種類だけじゃない。
注文を受ける事にその棒を作って、その仏壇専用のゲージを作るわけだ。
もちろん同じ形、同じ宗派の仏壇の注文があった時は、その棒を流用して製作することも出来るし、修理の際もこれさえあれば同じ部品がいくつでも作れると言う仕組みだ。
業界が変ると、技術資料の保存もこうも違うものかと驚いた。
面談させていただいた会長さんによると、仏具を扱っていると言ってもいつまでも伝統産業にしがみついているわけにも行かない、とおっしゃった。
新進の技術、新進の情報をキャッチするために常にアンテナを張り、新しい事業の掘り起こしに役立てたり、従来の伝統産業に新しい技術を取り入れたりと企業も新陳代謝を常にはからなければいけない。
そんな、会長さんの話を聞いて、伝統産業といえども決してあぐらをかいた仕事をしてはいけないのだと、改めて思った。
同時に、会長さんはどんなに新しい技術を取り入れても企業の風土は変えてはならないともおっしゃった。
仏壇というのは1万2万円で買えるものではない。
高価な材料を仕入れ、ベテラン職人の手が加えられ、日時をかけて完成させる、そんな仏壇ばかりだ。
今日見せてもらった仏壇の最高額はなんと、約四千万円。
これだけの高価な買い物をしてもらうには常に品質には気を使う必要がある。
例えば『紫檀』
本物は加工した材料を分厚く心材に貼り付けるのだが、バッタものはペラペラの材料を貼り付けるだけだそうだ。
見た目にはプロにも見分けが付かないそうだが、年月が経つとその差が歴然としてくる。
安くても数年でその価値が半分以下になるようなものを売るのが本当に商売なのか?
会長さんは、こうもおっしゃった。
「製品に嘘はつくな」
お客さんの要求にこたえるために、作る側の人間として妥協のないものつくりをしろ。
これは簡単なようで簡単ではない。
しかし、この大原則を守れるからこそ、暖簾の信用は何百年と続き、新規の顧客も増えてくると言うもの。
結局これが、顧客の満足度にも繋がり、企業の発展にも繋がる。
最近の瞬間湯沸かし器メーカーのトラブルのニュースを見聞きしていると、良い企業風土を作り上げることがいかに大切か、今日の訪問でさらに強く感じた。
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by lon_kyoto
| 2006-07-26 19:46
| ビジネス